障害の種類について知ることは、社会の多様性を理解する上で大切です。障害者とは、身体や心に何らかの困難を抱える人のことを指します。しかし、障害にはさまざまな形があり、一人ひとり異なる特徴や支援のニーズがあります。この記事では、主な障害の種類とその特徴について、分かりやすく説明していきます。
これから、身体障害、知的障害、精神障害という3つの大きな分類について見ていきます。また、それぞれの障害がどのような影響を与えるのかや、日常生活でどんな困難があるのかも触れていきます。最後に、障害者支援制度の基本についても紹介します。この記事を読むことで、障害についての理解を深め、より思いやりのある社会づくりにつながることを願っています。
身体障害の種類と特徴
身体障害には、さまざまな種類があります。主な身体障害として、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害があります。それぞれの障害には特徴があり、日常生活に影響を与えます。
視覚障害
視覚障害は、目で見ることが難しい状態のことです。全く見えない人もいれば、少し見える人もいます。視覚障害には、視力の低下や視野の狭さなどがあります。視覚障害のある人は、点字や音声を使って情報を得ることがあります 。
聴覚障害
聴覚障害は、音や声が聞こえにくい、または聞こえない状態のことです。聴覚障害には、音が小さく聞こえる、音が歪んで聞こえるなどの種類があります。聴覚障害のある人は、補聴器や手話、筆談などでコミュニケーションを取ることがあります 。
肢体不自由
肢体不自由は、手や足、体の動きに障害がある状態のことです。立つ、歩く、物を持つなどの動作が難しくなります。車椅子を使う人もいます。肢体不自由の人は、日常生活で様々な工夫をしています 。
内部障害
内部障害は、体の内側にある臓器などに障害がある状態のことです。心臓、腎臓、呼吸器などに障害がある場合があります。外から見ただけでは分かりにくい障害です。内部障害のある人は、疲れやすかったり、特別な配慮が必要だったりします 。
身体障害のある人は、それぞれの障害に応じた支援や配慮が必要です。周りの人々の理解と協力が大切です。障害の種類や程度は人によって異なるため、一人ひとりのニーズに合わせた対応が求められます。
知的障害の概要と程度
知的障害とは、発達期に起こり、知的機能の発達に明らかな遅れがあり、適応行動の困難性を伴う状態を指します 。知的障害のある人の状態は多様で、日常会話に支障のない人から、会話でのやりとりが難しい人までいます 。
知的障害の程度は、「軽度」「中等度」「重度」「最重度」の4つに分けられています 。これらは、知能検査の結果による知能水準と、日常生活能力の到達水準を基に判定されます。ただし、一人ひとり成長の仕方や状況が異なるため、一概に特定の特徴がみられるとは限りません 。
軽度知的障害
軽度知的障害の人は、日常生活に必要な会話や動作ができるため、周囲に気付かれにくいのが特徴です 。しかし、実際には様々な場面で困難を感じているケースが多く、「勉強についていくのが難しい」「友達と仲良くするのが難しい」「空気を読めないと言われる」などの悩みを抱えていることもあります 。
軽度知的障害の人のIQは、おおむね51~69の範囲にあります 。日常生活では、複雑な会話や文章の理解、抽象的な内容の理解、その場の空気を読むこと、ものごとを進める段取りをつけること、記憶することなどが苦手な傾向にあります 。
中等度知的障害
中等度知的障害の場合、幼児期の早い時期から言葉の遅れが見られたり、就学後も学習についていくことが困難な様子などが見られます 。成人後も小学校ぐらいの精神年齢にとどまることから、かなり早い時期から周囲にその困難が気づかれることが多いでしょう 。
重度知的障害
重度知的障害の場合、発達の初期から、運動面、言語面の発達の遅れから気づかれ、専門家の支援や特別支援教育の必要性が高くなります 。成人後の精神年齢も3から6歳相当と見込まれており、生涯を通じて、食事や身支度などの生活上の活動について支援が必要な場合が多いようです 。
重度知的障害の人は、一般的な学業や就業などの社会的生活が難しい状態といえます 。日常的な介助者が必要で、興奮による乱暴行為や強いこだわりなどがある人もいます 。
知的障害のある人への支援は、その人の特性や程度に応じて行われます。例えば、就学前には療育を受けることができ、就学後は個別的な対応や特別支援学級、特別支援学校などの選択肢があります 。また、成人期では、障害者雇用を含めた雇用の他、デイサービスやグループホームなどの利用が可能です 。
重要なのは、知的障害のある人一人ひとりの困難のあり方について、支援者とともにじっくりと考え、本人ができる工夫、家族や周囲の人が学校や職場でできる配慮などを行うことです。これにより、その人らしさを発揮しやすくなり、誰もが暮らしやすい社会の実現につながります 。
精神障害の主な分類
精神障害には様々な種類があり、それぞれ特徴的な症状や影響があります。ここでは、主な精神障害について、中学生にも分かりやすく説明します。
統合失調症
統合失調症は、脳の働きに関係する病気です。100人に1人くらいの割合でかかる、珍しくない病気です 。主に10代後半から40歳くらいまでの間に発症しやすいです 。
統合失調症の症状は、大きく3つに分けられます:
- 陽性症状:
- 幻覚:実際にはないものが見えたり聞こえたりします。特に、自分の悪口や指示する声が聞こえる「幻聴」が多いです。
- 妄想:周りの人には明らかにおかしいと分かる考えを、本人は強く信じてしまいます。例えば、誰かに嫌がらせをされているという考えなどです。
- 陰性症状:
- やる気が出なくなります。
- 疲れやすくなります。
- 人と会うのを避けるようになります。
- 身の回りのことをするのが苦手になります。
- 認知や行動の障害:
- 考えがまとまりにくくなります。
- 人の話を理解するのが難しくなります。
統合失調症の治療には、主に薬を使います。薬を続けて飲むことが大切です。また、ストレスや環境の変化に弱いので、周りの人の理解と配慮が必要です 。
気分障害
気分障害は、気分の波が主な症状として現れる病気です。うつ病と双極性障害(躁うつ病)の2つに分けられます 。
- うつ病:
- 気持ちが強く落ち込みます。
- やる気が出ません。
- 疲れやすくなります。
- 自分には価値がないと感じます。
- 死ぬことばかり考えてしまうことがあります。
- 双極性障害(躁うつ病):
- うつ状態と躁状態を繰り返します。
- 躁状態では、気分が異常に高揚します。
- お金を使いすぎたり、ほとんど寝ないで働き続けたりします。
- 些細なことにも怒りっぽくなります。
気分障害の治療には主に薬を使います。うつ状態のときは無理をせず、しっかり休むことが大切です。躁状態のときは、お金の管理や安全に気をつける必要があります 。
不安障害
不安障害は、普通の不安とは違い、強い不安や心配が続いて日常生活に影響が出る病気です 。主な種類は以下の通りです:
- パニック障害:
- 突然、強い不安と体の症状(動悸、息苦しさなど)が現れます。
- 社会不安障害(社交不安障害):
- 人前で何かをすることや、人と話すことに強い恐怖を感じます。
- 強迫性障害:
- 同じことを何度も確認したり、繰り返したりせずにいられません。
- 全般性不安障害:
- 様々なことを過度に心配し、不安な状態が長く続きます。
不安障害の治療には、薬物療法や認知行動療法などがあります。早めに治療を始めることが大切です 。
発達障害
発達障害は、生まれつきの脳の働きの特徴によって、日常生活や対人関係に困難が生じる障害です 。主な種類は以下の通りです:
- 自閉症スペクトラム障害:
- コミュニケーションや対人関係が苦手です。
- 特定のものに強い興味を持ちます。
- 注意欠陥多動性障害(ADHD):
- 注意力が続かず、落ち着きがありません。
- 衝動的な行動をとりやすいです。
- 学習障害:
- 読む、書く、計算するなどの特定の能力に困難があります。
発達障害は、その人の特性を理解し、適切な支援や環境調整を行うことが大切です 。
これらの精神障害は、それぞれ異なる特徴や症状がありますが、適切な治療や支援によって改善することができます。周りの人々の理解と協力が、回復や社会生活を送る上で重要な役割を果たします。
障害者支援制度の基本
障害者支援制度は、障害のある人々が社会で自立し、活躍するための重要な基盤です。この制度には、主に障害者手帳、障害年金、就労支援の3つの柱があります。これらの制度について、中学生にも分かりやすく説明していきます。
障害者手帳
障害者手帳は、障害のある人に交付される大切な証明書です。この手帳を持っていることで、さまざまな支援やサービスを受けることができます 。
障害者手帳には3つの種類があります:
- 身体障害者手帳:体の機能に障害がある人のための手帳です。1級から6級まであります。
- 精神障害者保健福祉手帳:心の病気や発達障害がある人のための手帳です。1級から3級まであり、2年ごとに更新が必要です。
- 療育手帳:知的障害のある人のための手帳です。重度の「A」と中軽度の「B」の2種類があります 。
手帳を取得するには、市区町村の障害福祉窓口で申請します。身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳は、専門の医師による診断書が必要です 。
障害者手帳を持つことで、次のようなメリットがあります:
- 医療費の負担が軽くなります。18歳以上の身体障害者は、指定の医療機関で医療費の自己負担が原則1割で済みます 。
- 税金が安くなります。手帳の等級によって、一定の金額の所得控除が受けられます 。
- 公共交通機関の運賃が割引になります。鉄道やバスの料金が安くなります 。
- 補装具の費用助成が受けられます。身体障害者手帳を持っている人は、障害に応じた補装具にかかる費用が支給されます 。
- 住宅のリフォーム費用の助成が受けられます 。
- 障害者雇用枠で仕事を探すことができます。ただし、一般の雇用枠で働くこともできます 。
これらのサービスを利用することで、障害のある人の生活がより便利になり、社会参加がしやすくなります。
障害年金
障害年金は、障害のある人やその家族の生活を支える大切な制度です。障害の程度や種類によって、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。
障害基礎年金:
- 受給条件:
- 国民年金に加入中か、20歳前、または60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
- 障害の程度が1級か2級に該当すること。
- 保険料の納付要件を満たしていること(20歳前の場合は不要)。
- 年金額(令和6年4月分から):
- 1級:年間1,020,000円(昭和31年4月2日以後生まれの場合)
- 2級:年間816,000円(昭和31年4月2日以後生まれの場合)
- 子の加算額あり(18歳までの子、または20歳未満で1級か2級の障害がある子)。
障害厚生年金:
- 受給条件:
- 厚生年金保険の被保険者期間中に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
- 障害の程度が1級から3級のいずれかに該当すること。
- 保険料の納付要件を満たしていること 。
- 障害の程度:
- 1級:日常生活のほとんどに介助が必要な状態
- 2級:日常生活に著しい制限がある状態
- 3級:労働が著しく制限される状態 。
障害年金の請求方法には、「障害認定日による請求」と「事後重症による請求」の2つがあります。障害認定日は、初診日から1年6ヶ月後か、それ以前に症状が固定した日です。事後重症は、障害認定日以降に症状が悪化した場合に請求できます 。
障害年金は、障害のある人の生活を経済的に支える重要な制度です。障害の程度や状況に応じて適切な年金を受給できるよう、専門家に相談することをおすすめします。
就労支援
障害のある人が働くことは、自立した生活を送り、社会に参加する上で非常に大切です。そのため、さまざまな就労支援制度が用意されています。
- ハローワーク(公共職業安定所)の支援:
- 専門の職員が、障害の種類や希望する仕事に合わせて、丁寧な相談や紹介を行います。
- 障害のある人を雇う会社に対して、雇用管理の助言をします 。
- 地域障害者職業センターの支援:
- 障害のある人の雇用計画や、職場での配慮について会社にアドバイスします。
- ジョブコーチ(職場適応援助者)を派遣し、障害のある人と会社の双方を支援します 。
- 障害者就業・生活支援センター:
- 障害のある人の身近な地域で、仕事と生活の両面から相談や支援を行います。
- [令和6年4月1日時点で全国に337箇所設置されています](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shisetu/shougaisha_shien/index.html) 。
- トライアル雇用制度:
- 会社が障害のある人を試験的に雇うことができる制度です。
- これにより、会社や従業員の障害者雇用への理解が深まり、正式な雇用につながりやすくなります 。
- 職場実習の推進:
- 障害者雇用の経験が少ない会社向けに、職場実習の受け入れを進めています。
- 実習を通じて、障害のある人と会社が互いを理解し、より良い職場環境を作ることができます 。
- 事業主向けセミナーの開催:
- 労働局やハローワークが、会社向けに障害者雇用制度や支援策についてのセミナーを開いています 。
- 障害者総合支援法に基づく就労支援サービス:
- 就労移行支援:一般の会社で働くことを目指す人向けのサービスです。
- 就労継続支援(A型・B型):一般の会社で働くのが難しい人向けのサービスです 。
これらの支援制度を利用することで、障害のある人の就労機会が増え、会社側も障害者雇用に対する理解を深めることができます。障害のある人が自分の能力を発揮できる職場環境を整えることは、社会全体にとっても大きな利益となります。
障害者支援制度は、障害のある人々の生活を支え、社会参加を促進する重要な仕組みです。障害者手帳、障害年金、就労支援の3つの柱を中心に、さまざまな支援やサービスが用意されています。これらの制度を適切に利用することで、障害のある人々がより自立した生活を送り、社会の一員として活躍することができます。また、周りの人々の理解と協力も大切です。みんなで支え合い、誰もが暮らしやすい社会を作っていくことが求められています。
FAQs
Q: 障害にはどのような種類がありますか?
A: 障害は大きく「身体障害」、「知的障害」、「精神障害」の3つに分類されます。身体障害にはさらに「視覚障害」、「聴覚・平衡機能障害」、「音声・言語・そしゃく機能障害」、「肢体不自由」、「内臓機能などの疾患による内部障害」といった5つのサブカテゴリがあります。
Q: 障害の定義について教えてください。
A: 「障害者基本法」によると、障害者の定義は「身体障害、知的障害、または精神障害があるため長期にわたり日常生活、または社会生活に相当な制限を受ける者」とされています。
Q: 身体障害には具体的にどのような種類がありますか?
A: 身体障害は以下の5つに分類されます:1. 視覚障害、2. 聴覚・平衡機能障害、3. 音声・言語・そしゃく機能障害、4. 肢体不自由、5. 内部障害。また、身体障害の程度は7等級に区分され、最重度の1級から軽度の6級までが身体障害者手帳の交付対象となります。


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