就労継続支援A型の開所費用と資金計画のポイント

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就労継続支援A型事業は、障害者の就労を支援する重要な取り組みです。この事業を始めるには、開所費用と資金計画について十分な理解が必要です。多くの人が障害者福祉施設の立ち上げに興味を持っていますが、開業資金や収益モデルについて不安を感じています。

この記事では、就労継続支援A型の開所に必要な手続きや費用の内訳を詳しく説明します。また、イニシャルコストやランニングコスト、生産活動収益や訓練給付費などの資金計画のポイントも紹介します。人員配置基準や設備基準、消防設備などの重要な要素にも触れ、事業の成功に向けた準備に役立つ情報を提供します。

目次

就労継続支援A型事業の概要

就労継続支援A型は、障害や難病がある人が一定のサポートを受けながら働くことができる福祉サービスです。このサービスは、2013年4月に施行された障害者総合支援法に基づいています。

就労継続支援A型の大きな特徴は、利用者が事業所と雇用契約を結び、労働者として扱われることです。そのため、最低賃金以上の給与が保障され、労働基準法などの労働関係法規の適用を受けます。

利用対象者は、原則18歳以上65歳未満の身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病等の障害がある人です。障害者手帳がなくても、医師の診断や定期的な通院があれば利用できる場合もあります。

就労継続支援A型事業所での仕事内容は多岐にわたります。データ入力などのデスクワーク、Web制作、商品発送の梱包作業、農作業、清掃など、事業所によってさまざまです。

利用者数は平成30年9月時点で約6.9万人で、身体障害者が13,168人、知的障害者が23,824人、精神障害者が31,374人となっています。

就労継続支援A型は、一般企業への就労が難しい人に働く場を提供するだけでなく、一般就労に向けた知識や技能の訓練、就職支援も行っています。

開所までの流れと必要な手続き

就労継続支援A型事業所を開設するには、いくつかの重要な手順を踏む必要があります。まず、適切な物件を見つけることから始まります。物件の選定は、事業の成功に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。

物件を決めたら、次は内装工事や必要な設備の設置を行います。就労継続支援A型事業所には、特定の設備基準があり、これを満たす必要があります。例えば、相談室や多目的室、洗面所などが必要です。

同時に、人員の確保も重要です。サービス管理責任者や職業指導員など、必要な資格を持つスタッフを雇用しなければなりません。

これらの準備が整ったら、指定申請の手続きに入ります。申請には多くの書類が必要で、事業計画書や運営規程などを作成します。また、消防署への届出も忘れずに行いましょう。

指定申請の際には、都道府県知事から指定を受ける必要があります。申請書類の提出後、審査が行われ、基準を満たしていれば指定が下ります。

開所までの期間は、準備の進み具合によって異なりますが、通常数か月かかります。指定日は多くの場合、毎月1日となっています。

最後に、開所前には関係機関への挨拶回りや、スタッフの研修、生産活動の準備など、細かな作業が残っています。これらを丁寧に行うことで、スムーズな事業開始につながります。

開所費用の内訳と目安

就労継続支援A型事業所を立ち上げるには、大きく分けて初期費用(イニシャルコスト)と運転資金(ランニングコスト)の2つの費用が必要です。初期費用は300万円から800万円前後運転資金は月額200万円前後が目安とされています。

初期費用(イニシャルコスト)の内訳

  1. 法人設立費:障害福祉サービスを始めるには法人設立が必要です。法人の種類によって費用が異なり、株式会社なら25万円程度、合同会社なら10万円程度、NPO法人なら数万円程度です。
  2. 物件取得費:賃貸物件の場合、敷金・礼金・保証金を合わせて60万円程度を見込むと良いでしょう。
  3. 消防設備費:誘導灯と消火器の設置なら15万円程度ですが、自動火災報知設備の設置が必要な場合は100万円以上かかる可能性があります。
  4. 事務用品費:事務机、テーブル、パソコン、プリンターなどの準備に30万円から60万円程度必要です。
  5. 光熱費:インターネット開設工事と電話工事で3万円程度かかります。
  6. 利用者の仕事道具:作業内容により異なりますが、事務作業の場合はパソコンやデスク・椅子が必要です。
  7. 送迎車:送迎サービスを行う場合、50万円から500万円程度の費用がかかります。

運転資金(ランニングコスト)の内訳

運転資金は事業開始後に継続的にかかる費用です。主な項目は以下の通りです:

  1. 家賃
  2. 人件費
  3. 利用者人件費
  4. 光熱費
  5. 営業費・雑費

モデルケース(平日営業、定員10名、常勤スタッフ3名)での1か月のコスト:

科目費用
家賃15万円
人件費70万円
利用者人件費79万2000円
光熱費3万円
営業・雑費30万円
合計197万2000円

初期費用と3か月分の運転資金を合わせると、約930万円の準備が必要となります。ただし、実際には利用者数が徐々に増えていくことを想定し、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。また、サービス提供から報酬を得るまでに2か月近くかかることも考慮に入れましょう。

資金計画と収支シミュレーション

就労継続支援A型事業を始める際、適切な資金計画と収支シミュレーションを立てることが重要です。これにより、事業の安定性を確保し、長期的な成功を目指すことができます。

収支シミュレーション

厚生労働省の調査によると、就労継続支援A型事業所の年間平均収入は4,495万円、支出は4,366万円で、収支差は約129万円となっています。しかし、43.4%の事業所では生産活動による売上が利用者の賃金を下回っているという課題もあります。

収支シミュレーションを行う際は、以下の点に注意しましょう:

  1. 訓練等給付費:利用者1人あたり月額12~14万円程度
  2. 生産活動による売上:利用者の賃金を賄えるだけの収入を見込む
  3. 人件費:職員の給与や利用者の賃金を適切に計算
  4. 固定費:家賃、光熱費などの経常的な支出
  5. 変動費:生産活動に関連する材料費や仕入れ費用

経営安定化のポイント

  1. 適切な損益管理:生産活動の損益状況をタイムリーに把握し、無駄なコストの削減や高コスト構造の是正を行う。
  2. 多様な収入源の確保:低単価の仕事だけでなく、高単価の請負業務も取り入れるなど、収益構造を改善する。
  3. 加算の活用:就労移行連携加算や就労移行支援体制加算など、各種加算を積極的に取得する。
  4. スコア方式への対応:基本報酬の算定に関わる評価点(スコア)の7項目に注目し、事業所の状況に応じた対策を講じる。
  5. 人材確保と育成:特に常勤必須のサービス管理責任者の確保に注力し、減算を避ける。
  6. 助成金・補助金の活用:管轄する行政・団体のウェブサイトなどで情報を収集し、利用可能な支援制度を活用する。

適切な資金計画と収支シミュレーションを立て、これらのポイントに注意しながら事業を運営することで、就労継続支援A型事業所の安定的な経営と利用者へのより良いサービス提供が可能となります。

FAQs

Q1: 就労継続支援A型事業所を開業する際に必要な資金はどれくらいですか?

A1: 就労継続支援A型事業所を開設する際には、初期費用として約300万円から800万円、運営資金として月額約200万円が必要とされています。

Q2: A型事業所が経営困難になる主な原因は何ですか?

A2: A型事業所は利用者と雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の給与を支払う必要があります。固定費と人件費を上回る売上を維持できない場合、経営が赤字になることがあります。

Q3: A型事業所で解雇されることはありますか?

A3: はい、A型事業所で解雇されることがあります。これは事業所の経営が悪化した場合だけでなく、利用者側に問題がある場合も含まれます。

Q4: 就労継続支援A型事業は利益を出すことは可能ですか?

A4: 国からの基本報酬と利用者の生産活動からの売上が主な収入源です。赤字の事業所も多いですが、基本報酬の増加や生産活動の売上向上により、利益を出すことも可能です。

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この記事を書いた人

テイルウインドのメンバー
自身も当事者として障害を持ちながら働いています。
webメディアや動画の制作を行っています。
障害福祉に携わる方に役立てるように修行しています。

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